殺人鬼ごっこ〜1週間の悲劇〜

俺が向かっている場所は昨日、楓が殺されたあたり
2回連続で同じ場所に来るとは思えなかったから。それに近くには放送室もある
隠れられそうな場所を見つけ俺は息を潜めた

『鬼ごっこが始まりました』

放送内容や言い方がまったく同じと言う訳じゃないらしい。そうなるとビデオテープなどじゃないのだろう。人間の可能性が高くなる

どれくらいこうしていただろう。気配を感じない為、この近くにはまだいないはずだ
そう考えた俺はなるべく音を立てないように放送室の扉を開けた

「誰も、いないか…」

真っ暗な部屋の中にあるのは放送機材と机のみ。おそらくここでは無いのだろう

「み〜つけた」

ふいに後ろから聞こえた声…それは人の声だった。…この状況下で割とイケボだなと思ってしまった俺は重症なのかもしれない

その見た目は暗くて顔こそみえないが、フードを深くかぶり、手には…大きな釜をもっている
まるでその姿は…死神のようで

「っ!うわぁぁぁぁ!?」

俺は一目散にかけだした
後ろからの気配が消えない。逃げ切ることなんて不可能かもしれないがそれでも逃げずに入られない
バスケ部…なめんな!
部活で鍛えた足で学校中を全速力で走りまわる
「っ、まいた、か…?」

後ろを振り返ってもあいつの姿は見えない

「やっ、た…」

鬼から逃げ切った
…安心したのも束の間、なにかが俺の頭すれすれに振りかかる

「っ!!」

振りきれてなんていない、今俺の頭の上を通ったのは大きなあの鎌だった
脳裏に楓の姿が思い浮かぶ。楓も、あの鎌で跳ねられたのか

1階への階段を下って廊下をつっきる
体力が限界に近い…もう、俺は逃げきれないのか
脳裏に浮かぶのは美香の顔
…俺は美香の事が好きだ。あいつだけは守らなくてはいけない
そのとき、ずっと俺の後ろを追っていた鬼がいきなり向きを変えた