「現実、か…」
周りをみまたせば昨日と同じく…いや、一人かけた7人が集まっていた。それぞれ疲労や、恐怖の顔を浮かべている
「また、やるのか…」
海斗が校舎を見つめながら口に出した。そう、俺達がここにいるということはつまり…またあの鬼ごっこが始まるということ
「もう、やだよ…」
美香が泣きそうになりながら地面に座り込む
みんな脱力しきっていた。今日は、自分が殺されるかもしれない、そんな恐怖に蝕まれていく
いっそ、殺されるくらいならずっとここで待っていたほうが楽なのかもしれない
そんなことを考えていると、中々立てない俺達に待ちくたびれたのか校舎のドアがひとりでに開いた
「っ…なんだ、よ…ふざけんなっ!!」
翔輝が怒鳴りながら近くのゴミ箱を蹴った
派手な音を立てて倒れるゴミ箱を誰も直そうとはしない
そんな時に全員の携帯が一斉になった
「メール…?」
それぞれが携帯を開く
俺のディスプレイに表示された文章は目の前に深い闇を作る
・あと10分以内に校舎に入ってください
・ハイレハイレハイレハイレハイレハイレハイレハイレハイレ
・ハイラナイトコロス
「くそっ…!なんだよこれ…!」
健一たちのメールにも同じような文章が書かれているのだろう
この理不尽なデスゲームは俺達に権利を持たせてくれない。唯一確かる道は…鬼を殺すのみ
途端にこの場に緊張感がはしる。
俺には浮かんではいけない考えがふと頭をよぎる
“自分以外を殺せ”
ダメだ
即座に自分の理性が押しとどめるが、自分の考えにゾッとする
もしも、もしも他の奴らも同じことを考えていたら
「浩介、行こうぜ」
海斗に話しかけられ思わず大げさな反応をしてしまいそうになるがぐっと堪えた
他の皆とともに玄関をくぐり抜ける
昨日と同じようにドアが音を立てて閉まった
「ねぇ、提案なんだけど」
みんなに向かって紗羅が話しかける。提案とはなんだろうか
「もし、誰か余裕があったら放送関連を見てみてほしい。勿論、私も見るから」
俺は紗羅の意図が理解できた
俺達以外がいない…正確に言えば俺達と鬼以外いない校舎で放送が流れる
もしも、そのやつが鬼だったら…
殺れる可能性は格段に上がる
「わかった、なるべく見て回る」
健一の言葉に紗羅が頷く
他のみんなも了承しているようだ
『後10分で始まります』
話し終わるのを待っていたかのように放送がなる
「よし、まぁ、またここで会おうぜ」
「…死なないでね」
翔輝と美香の声を背に俺は歩き出した
