朝の会が終わってすぐにクラスメートに問いかけた。楓をしってるやつはいないかと。
ただ、返ってくるのは知らないばかり
俺は教卓の上のクラス名簿をめくった
「ほら!ここに確かに書いてあるだろ!?佐藤楓って!」
俺が掲げる名簿に何人かが集まってくる
しばらく見ていたようだが、一人が俺の顔を見た
「何言ってんだよ、佐藤なんてないぞ?お前ら…大丈夫か?」
心配そうに俺と海斗をみて立ち去る姿に絶望が広がる。…俺達以外の人たちから楓の存在が消えている…?
「おい、うそだろ…!?嘘だって言えよ!」
翔輝が机を蹴って怒鳴り散らした。女子が悲鳴を上げて立ち退く
彩も美香も今にも泣き出しそうだし、健一の顔も一層青ざめていた
俺達だけが知っている楓の存在。…それはあの夢が現実だったことを意味しているのか
「…夢じゃ、なかったのか…?」
海斗 がひとりごとのように呟く
「現実よ」
ずっと机に座っていた紗羅が俺達の方に歩いてきた。“現実”無理やり避けようとしていた事を突きつけられる
「あれは現実なのよ。嘆くよりも、打開策を考えなきゃ」
俺達の方を見て続けた紗羅の言葉に、彩が反応した
「…打開策なんて、あるわけないじゃない…」
この言葉で確信した。…みんな、受け止めたのだろう。あの惨劇を、現実だと
「あるわよ」
「…え?」
どうして紗羅はこんなにはっきり言い切れるのだろうか。もしかして、俺達がもらしているルールでもあるのか
「どうして言い切れんだ?」
健一の問いかけに対応するように、紗羅は1冊のノートを取り出した
そこに書かれていたことは…殺人鬼ごっこのルール説明。ルールが並ぶ中、1つアンダーラインが引かれている文がある
“鬼がわかったら殺してください”
「鬼を…殺す?」
俺が呟いた言葉に紗羅が頷く
「殺せるわけ無いだろ!捕まったら、殺されんだぞ!?」
「私は、昨日の8人にいると思ってる」
紗羅が放った言葉で、この場に緊張が走る
昨日の8人に…?海斗が理由を問うと、紗羅の見立てはこうだった
メールの初めの“貴方は一週間で死にます”の文字。一周間は7日、集められたのは8人…
だから、この中に鬼がいると。
「そんなわけないでしょ!?」
彩がヒステリックに叫ぶのも無理がない、俺達はずっと一緒にいた仲間。そんなに簡単に疑えるわけがない
そのうちに彩も美香も泣き出してしまい、話ができる状況じゃなくなったため、俺達は解散した
