教室はいつもと変わらずガヤガヤしている
窓際で駄弁るやつらや、女子同士で笑っているクラスメートなど、そこはいつもの光景だった
…ただ、楓がいない
「…まだ、来てないだけだよね」
「…おう」
妙な胸騒ぎ。ここは俺達の教室のはずなのに、なんか違う気がする
「浩介、はよ」
「おはよ」
俺に気づいたのか翔輝と健一が近づいてきた
二人とも昨日のことを気にしてるのだろう、視線を迷わせ、なにか考えている
美香が彩と紗羅を連れてきてくれた為、俺は早速本題に入った
「…あの廊下を見てきた。なにも、なかった」
それぞれが安堵の表情を浮かべる
その時チャイムがなり、担任が教室に入ってきた
…楓は、まだ来ていない
日直の挨拶に従い朝の会が始まった。挨拶の次はいつもどおり出席を取る
あ行から始まり、続いてか行。
…楓の苗字は佐藤だ。近づくに連れ、妙な緊張感が俺に走った
「清水健一」
「…え?」
思わず声がもれた、健一も口を開けて固まっている
「…先生、楓は休みですか」
海斗が手を上げて先生に質問した。嫌な予感が頭をよぎる
「?何楓だ?苗字は?」
「…佐藤です」
先生が名簿を確認するも、見つけられない様子でしきりに首をひねっている
まさかと思い、周りを見てみると他のクラスメートがヒソヒソ話しているのが聞こえた
“楓ってだれ?”
「他のクラスの間違いじゃないか〜?」
頭がまっしろになって、先生の話も頭に入ってこない
質問をした海斗も、…あの場にいた7人の顔が青ざめている
後ろの窓際をみれば、1つの机が確かに開いていた…
