「浩介!!生きてたか!」
そう言って俺へ向かって声をかけた健一は何かを感じ取ったようで、俺の前でとまった
「…なにか、あったのか」
大体感づいてはいるのだろう、なにせここに居ないのは楓だけなのだから
「楓が…死んでいた」
そう告げると、男子達は息を呑み女子は泣き叫んだ。
わかっていても直視できない理不尽な死。
友達が死んで悲しいが、同時に殺されなくてよかったという安堵感も出てきてしまう
「お前らは、大丈夫だったのか?その…一緒に行動してただろ?」
海斗が遠慮がちに疑問を投げかける。そうだ、女子達は3人で逃げると言ったはずだった。ずっと一緒だったなら少なくとも…死に際を見てしまったかもしれない
「わたっ…私達、途中で別れたの」
「まとまってたら、見つかっちゃうから…」
おそらく本当にゲームが始まって驚いたのだろう、それで別れた時に楓は…
でも、それなら楓の死を際を見る事がなかったということだ
「…鬼、この中にいるの?」
急に降ってきた冷めた声。ずっと黙って周りを見ていた沙羅が問いかけた
…鬼が、このなかにいる?
「メールには、鬼を殺してくださいって書いてあった。この中にいるかもしれない」
信じられなかった。沙羅は人が死んだ直後だというのに動揺せず、ゲームを受け入れていた
「てめぇ!!人が死んだんだぞ!?」
「そうよ。でも明日は私が殺されるかもしれないもの。 」
その言葉で翔輝が手を止めた。
そうだ、これで終わりじゃない。ゲームは始まったばかりなんだ
「みんな、受け入れなきゃいけない。楓が亡くなったのは悲しいけど、考えなくちゃ」
《ピピピピピ》
突如鳴り響いた携帯電話。その画面を確認するまもなく俺の意識は暗闇へと引きずり込まれていった
