土曜日。

お昼前に目が覚めた。

まだ慣れない仕事のせいで疲れていたのか、それとも夕べの合コンでのダメージからか、外に出る気にはなれず、部屋にこもって過ごした。


昼下がり、退屈しのぎにつけたテレビからは競馬中継が流れている。

ねえさんは今日も競馬場にいるだろうか。

おじさんとパドックで会った時、週末一番長い時間を共にするのはおじさんだと言っていた。

無性にねえさんに会いたいと、夕べは思った。

けれど、ねえさんに会ったからと言って、何になるだろう?

情けない僕を抱きしめて慰めて下さいとでも言うつもりなのか?

それこそ情けないじゃないか。

ねえさんだって大人の女の人だ。

僕の事なんて、頼りない弟か、弱くて放っておけない仔犬くらいにしか思ってないだろう。

ねえさんはきっと、たった一日競馬場で一緒にいただけの僕の事なんて、すぐに忘れちゃうんだろうな。

それでも会いたいと思うのは、なぜだろう?