ヤンキー×弱虫

「おはよー」

いつも、元気で皆仲良いから安心安心。
男は苦手だけど、皆は私が小さい時から一緒だから大丈夫。

それに、仲間だし。


「じゃあ、私行ってくるねー」


「「行ってらっしゃい!」」


皆に見送られ、先に車にのっていたお父さんのところへ行く。

黒のベンツに乗り込むとすぐ発進する。
お父さんのくせだ。危ないったらありゃしない。



「悪いな。男が嫌いなのに、こんなこと頼んじまって」


「いいよ。組の為だったら何だってするし。それに、嫌いじゃない。苦手なだけ。」


だけど…と心配そうな顔を向けてくる。
前向いて前!
前の車まであと、数ミリぐらいだよ!


それは、言い過ぎかも…。



「とにかく!大丈夫だから!何かあったら言うし。」

「本当だな?!ちゃんと言うんだぞ!約束!」

そう言い小指を出してくる。
昔からだ。もう、伝統だな。私達家族の。


私も小指を出して、お父さんの小指と絡める。