君についた10のウソ

一瞬の出来事がスローモーションのように見えて。


頭が混乱してわけが分からない。


ひとつだけ、分かるのは……



「優……好きだよ…」


「………俺も」



優の。

今の優の彼女は、あたしじゃない。


優のあの笑顔が向けられるのは桃菜ちゃんで。



…泣きたいのは、あたしだよ。


桃菜ちゃん。なんで…こんなことしたの?


それとも……

考えたくもないものがパッと頭に現れる。


…いや、そんなわけがない。


優しい優のことだもん。


“浮気”なんて。そんなこと…ない。


それだけは神に誓ってもいいよ。



「沙耶……ちゃん………」



かすれた声であたしを呼ぶ透くん。



せっかく仲良くなれて。

笑って話せるようになれて。


なのに、なのに……っ


こんなのって……


………ありですか……?



時を巻き戻すことができるのなら。


あの日の事故が起きる前…楽しかったあの日々に戻したいよ……



ねぇ誰か。


…あたしに幸せを、暖かい希望の光をちょうだい……