「あと、半月?」
部屋の中のものが、少しずつまとめられ、すみに段ボール箱に入れられて、積み上げられている。
「本当に引っ越すんだね…」
私は、部屋の中を見回しながらいう。
「ああ…」
彼に別れようって言われた時は、離れていくなんて耐えられないと思ってた。
なのに今は、一番大切だと思った人と、別れてしまうことを冷静に受け止めている。
「すごいな。営業部の課長か。異例の若さだって小野くんに聞いたよ」
「そんなことないさ」
早坂さん、謙遜してるけど、仕事を何よりも優先してきたのだから、この結果は偶然じゃないと思うよ。
「早坂さんの、努力が報われたね」
今は、心から喜んであげられる。
「ああ」
「それで、私の荷物は?」
部屋の中は、ものが移動されていて、どこにものが、置いてあるのか分からない。
部屋中さがしても、私の荷物はほとんどなかった。


