あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~


メールのチェックを終えて、自販機のコーヒーを買いに行く。

出てきた砂糖入りのコーヒーを、一口すすった。

ぼんやりしてると、後ろから経理課の課長に声をかけられた。
うっかり近づかれて、触られないように、さりげなく距離を取る。


「おっ、友芽ちゃん。相変わらずいい体してるね」

朝から、こんな言葉をかけられるなんて。私がどんな体してようが関係ないのに。
声かけて欲しい人には無視されるし。

私は、大袈裟に腕時計を見る。

「おはようございます。課長。
あれ?よろしいんですか?
こんなところで、のんびりされてて。
さっき山下部長、緊急の会議だって、
おっしゃって、会議室の予約取り直して行かれましたよ」


「えっ?そうだっけ…」
課長が、慌ててコーヒーを飲み干す。


「はい。総務課に来て、確認されますか?」


「いや、いいよ。ありがとう。
もう、行くから」

課長は、もう一度舐めるように、私を上から下まで眺めると、そそくさと出て行った。