ーもう、会社着いた?
絵梨から連絡が来た。
着いたよ。と返す。
五分もしないうちに、絵梨がやって来る。
絵梨のいる経理課と、私のいる総務課は同じ管理部門だけれど、各課ごとにパーティションで区切られていて、直接は見えない。
だから、一応確かめてからお互いに行き来する。
「ずいぶん、早いのね」
早く来たことに、意味なんか無いよと言って、その後、私は絵梨のことを無視した。
立ち上げておいた、パソコンのメールをチェックする。
絵梨が画面をのぞきながら言う。
「日曜日からずっと、
電話待ってたんだけどな」
「ごめん…精神的にも、肉体的にも
そんな気力なかったから」
私は、目頭を指でつまみながらいう。
そうだった。自分のことばかりで絵梨のことを忘れてた。
「肉体的に?宗佑ったら、やるなあ」
「なに、勘違いしてるの。
志賀くんとは、そんなんじゃないから」
まだ…だけど。
「でもさあ、二晩も一緒にだよ。隣で友芽が寝てたら…」
私は、絵梨の口を塞いだ。
周りには、もう何人も人がいる。
本当に声大きいんだから。


