「木原、もう起きてる?」
ふすま越しに志賀くんの声がした。

半分だけ開いた目で
枕元に置いた携帯を見た。

「ええっ!?もう、こんな時間」
私は、布団から飛び起きた。

「開けていい?」

「あっ、うん…」と言ってしまって後悔した。

お化粧してない…ひどい顔だろうな。
慌てて布団から出ると、掛け布団をめくった。
今まで寝ていたのは、バレたかな…

「あっ、悪い…」

志賀くんが、ふすまを開けて
部屋の入り口で固まってる。

私は、布団を整えて、
志賀くんの方に体を向けた。

「木原…ち、ちょっと。
上に何か着てくれ」

「ん?」

私は、メイクしてない顔のことばかり
気にしてたけど、
ほとんど着てないみたいに
薄っぺらいネグリジェが、
ももの上まで巻くれあがっていた。

「ああ、これ、ごめん…」
私は、志賀くんにそういわれて、布団を胸の上まで引っ張りあげ、体のシルエットを隠した。


別に、志賀くんになら見られてもよかったのに。


「朝ごはん出来てるから…」

「志賀くん、ごめん。すぐ起きる」

「いいから。ゆっくり着替えて来いよ」