あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~



幸い、いい感じでお酒が入って、
気分よく駅からアパートまで歩いた。

気温も暖かくなって、何か話しかけたい気分だし。

それに、何となく手持ち無沙汰で、
後ろを振り返って志賀くんに話しかけてしまった。
無視されたら、されたでもういいやって。

「志賀くんってさあ、
こうやって女の子送ることよくあるの?」


「いいや」
無表情。


「じゃ、今日みたいのは珍しい?」


「初めて…」
無表情2。

「そうなの?じゃあ、お礼言わなきゃね」


「いいよ。そんなの。つっかえるから早く歩いて」

終了…



絵梨は、営業の小野君と付き合っていて、今日の飲み会も、絵梨と小野君が中心になって開いてくれた。

私だって、小野君と西田君ともお酒の席では、よく話す。

でも、志賀君とは?記憶にない。
本当にない。


「志賀君と話したの、
ほとんどなかったっけ記憶がないな。
志賀君てさ、話すのは、苦手なのかな。どうしてかな?」
同級生の女の子に話しかけられるシチュエーション。

「別に、どうでもいいし」
さようでございますか。

「どうして?話せばいいのに、楽しいじゃない」
笑顔が引きつる女子学生

「俺のことは、いいから真っ直ぐ歩け」


「はい…」終了…




じゃあ、なんで送るなんていうのよ。
話しかけたことを後悔した私。

明かりの消えた商店街を歩く。
無言で。一列に並んで。

途中で横道にそれて、
住宅街をしばらく歩くと、アパートが見えてくる。
よかった。着いた。