「絵梨…」
私は、先に絵梨に電話をかけた。
遠くに行くなら、絵梨に会うべきだ。行くのかどうか、まず、意見を聞くべきだ。
そう約束したし。
「今日は…一人じゃないけど…いい?」
絵梨がいう。
「小野くん?」だよね。
「ん、そう」
「邪魔しちゃ悪いかな」
どうしよう。小野くんがいるところで、相談なんかできないか…
やっぱり、早坂さんに頼るべきか…
「いいよ。すぐに来られるの?」
「そんな…二人きりのとこ、邪魔しちゃ悪いし」少し沈んだ声で言う。
「今さら何言ってるの。なんなら、こんなやつ、いないものだと思えばいいから。早くおいで」
「うん…」
電話を切った後、携帯の着信履歴もメールの返信も来てないかと見たけれど、画面に何の変化もなかった。
夕飯いらないよって、送りつけたくなるけど、人に用意するなって言うくらいだから、私が夕食を食べに戻ってくるなんて期待ないだろうな。
何時に帰ってくる?
それだけでも、連絡くれればいいのに。
荷物…家の中に何も無いのに、気づいてないかな。志賀くん私なんかいてもいなくても、どうでもいいのかな。
絵梨んちに行くために、新宿まで出る。早坂さんとこなら、ここからすぐなんだけど。


