それも全部、あいつに出会ったせいだ────。 「ほら、早く!急がないと入学早々遅刻するわよ?」 母さんの声に急かされ、急いで食べ、急いで支度。 「行ってきます!」 玄関をガチャッと開け、アイツの姿を探していると、 誰かがうちの中をのぞき込んでいた。 「あのぉ~、なにかご用でしょうか」 声をかけると、あからさまにビクッとするその影。