「私、なんかわからないけど、好きだ」 気づいた時には遅かった。 自分の心の声を、春風の音の中に確かに聞いた。 この恋は期間限定。 ふたりは決して一緒になることはない。 あと十分もすればもう二度と会えなくなる。 わかっている、わかっているのに。 それなのに。 どうしてこんなにも、君にこの気持ちが届いてほしいと思うのだろうか。