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夕飯を終えたあたしは少しだけテレビを見て、自室へと向かった。


歩の記憶は失われている。


そんな話今まで聞いたことなくて、衝撃的だった。


歩とあたしは特別仲が良いワケじゃなかったから、知らなくても当然だ。


だけど、今は違う。


心が入れ替わってから、あたしたちはどんな些細な事でも伝えて来たはずだった。


それなのに、ここまで重要な事を言わないなんて……。


あたしはそう思い、ベッドに寝転んだ。


なんだかひどく疲れている。


寝転んだままスマホを操作して、歩にメールを送信する。


《今日は放課後遊びに行ったんでしょ? どうだった?》


《あぁ。楽しかったよ! 女子ってパワフルだなぁ。俺疲れちゃったよ》


そんな返信にあたしはクスッと笑った。


歩がカレンに手を引かれて歩き疲れている様子が、安易に想像できた。


《お疲れ様。こっちは純とカラオケしてたよ》


《あぁ、あいつ歌うまいだろ》


《そうだね》


他愛のない会話が続いていく。


しばらくして、あたしは思い切って海が誰なのか聞いてみることにした。