スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

が、何日経っても良い案が浮かぶ事はなかった。


構図。色彩。
光の加減。


机にかじりついて考え続けたのに、未だにスケッチブックは真っ白のままだ。


何を撮りたいのか。
どう撮りたいのか。


いつも導かれるみたいに勝手に画が浮かび、手も動くのに。
アイディアが降りてくる気配さえないのは初めてかもしれない。

しかも一番得意としている風景写真だ。



「……」



勘が鈍っている。
気が付かないふりも出来ないほど。


自分の中に眠っているイメージを引き出し、形にする力が鈍っているというべきか。

雑念に邪魔をされ、しっかりと集中する事が難しい。
最近の俺はそんな傾向にあった。


刻々と時間が過ぎていき、苛立ちばかりが募る。



「どうしたんだよ?」



過去の自分が嘲笑っている気がした。