「ん……?」


重たい瞼をゆっくり持ち上げると、もう日はとっくに暮れていた。
事務所のソファでうたた寝してしまったらしい。

横になったまま、テーブルの上に置いてあるはずの電灯のリモコンに手を伸ばす。
と、左手に柔らかい何かが掠った。

不思議に思いながらとりあえず電灯を点ける。
ヒナがソファのへりに突っ伏したまま眠っていた。


「何でこんなとこで寝てんだ?」


相変わらずの理解不能な行動に、ひどく脱力した。
いつの間にか俺の体にかけられていた毛布を半分ずらし、彼女の華奢な両肩を包む。