私が席に着いた瞬間、司会が、



「それでは、国王陛下からのお言葉」



「今日は学園集会。ダンスを精一杯、楽しみなさい。以上」



あっさりと話が終わった。



「ええっと…続いて、ダンスに移ります。ご自由にお踊りください」



司会がマイクを切った途端、音楽が流れ真ん中に国王と王妃が現れ、ゆったりと踊り出す。


国王の優しい微笑みと、王妃の長い美しい髪がカーブを描く。



「麗華」



名前を呼ばれ、振り向くとにっこりと笑っている実里の姿。



「俺と踊って頂けますか?」



「ええ、もちろん」



手を差し出され、その手を取って私たちも真ん中に出る。


さっと実里が腰に手を回し、グッと自分に近づけられる。