蓮side



部屋に入った途端、俺の家のような豪華さに目が眩んだ。


いやでも思い出してしまう。俺の家は最高位の王家の次の位、大公家に生まれた。


大公家とは、王家の下の大貴族の中での細かく分けられた家のこと。大公家の下に公爵家、侯爵家、子爵家、男爵家となっている。


大公家の中で、俺の家・水城家は上から2番目。


大公家という、位と自身の容姿に魅せられた女どもがよく家に押し寄せてきて、媚を売りに来た。


その媚をうる場所が、俺の家。


それに見えて、嫌いなのだ。





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ピンポーン!ピンポーン!


玄関のベルが鳴った。



「お〜ぃ!居るんだろ?もう、あれから3時間経ってんだぞ!」



うるさい声に瞼を開けた。どうやら、寝てしまったようで、空もすっかり、暗くなっていた。