麻妃先輩はそう言いながら、俺の隣にやってきて、俺と同じように楽器を片付けはじめる。

俺がこれといった返事をしないからか、変な沈黙が流れ出して…楽器を片付ける音だけが妙に室内に大きく響き渡る。



「……」

「……」



…って、待てよ。よく考えたら、今のこの状況って、告白のチャンスなんじゃね?


じゃあ…今、言ってみる?


いや…待て待て。いきなりすぎだろ。

っつか何考えてんだよ。ふざけんな、俺。

……それに、今はそもそもそんな気分じゃ……。


しかし、俺がそんなことを考えていたら…



「……ねぇ、三島くん」

「へっ!?」



ふいに突然、麻妃先輩がまた俺に声をかけてきた。

まさかまた麻妃先輩にこうやって声をかけられるとは思っていなかった俺は、思わず腑抜けたような声をだしてしまう。



「…どうかした?」

「あ…いや、別に?」

「?」



そしてそんな俺の反応に、頭に?を浮かべて首を傾げる麻妃先輩。


……いや、落ち着けよ俺。


俺は自分にそう言い聞かせると、やがて麻妃先輩に再び顔を向けた。



「…何すか?」