その後も何度も何度も電話して、だけど勇佑は出てくれなかった。

…また、不安が募る。


でも…その後、やっと勇佑から着信がきた。

ユリナが怒って「今すぐ逢いに来て」って言ったら、「出来ない」だって。

そんな勇佑の態度に、ユリナが「浮気なんだ」って言ったら…



「…浮気じゃないけど、今は無理」

「なんで!」

「用事が終わったらそっち行くから、今は黙って待ってろ。な?」



勇佑は、そう言ってくれた。

その言葉に、ほんの少しは安心して、「絶対だよ」と念を押す。

その後は電話を切って、作ったことのないハンバーグを作って、勇佑を待った。


……待った、のに。








「ユリナ、俺と別れて」

「…え」

「今すぐ俺と別れてほしい」



あれから、勇佑はユリナが言った通りにマンションに来て。

突然、そんな言葉を口にした。

そのいきなりの言葉に、ユリナは「嘘だ」と思った。

嘘であってほしかった。


でも、



「俺、そもそも最初からユリナのこと、別に好きなわけじゃなかった。最初から顔しか好きじゃない」

「!」

「でも今は、他にちゃんと心から想える人がいるんだよ。俺はユリナじゃなくて、その人を大事にしたい。だから別れてほしい」