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それから数日後。

あれからユリナは幸せな日々を過ごしていて、何があっても笑っていられる日々を過ごした。

それは全て、勇佑のおかげ。

恋人の力ってすごい。

どんなに嫌なことがあっても、この指輪のおかげですぐに忘れることが出来るから。


けど…



「ダメだってユリナ、そんなんで安心してちゃ」

「…え?」

「そうだよ。しかもその“愛してる”、言わせた感あるし」

「……」



友達とのランチの時に、ユリナはまたそうやって友達に言われた。

この前のディナーと同じメンバー。

…幸せだったのに、その二人の言葉でまた不安が芽生えてくる。

いや、確かにあの「愛してる」は……言わせたといえば言わせたけど…。


ユリナは今日、友達に勇佑のことを自慢してやる、と思って来たのに。

浮気じゃなかったって、言いに来たのに。

…来なきゃよかった。


友達の言葉を真に受けて、いてもたってもいられなくなったユリナは、その夜勇佑に電話した。


けど…………出ない。

何回かけても、勇佑は電話に出てくれない。


今日から新しい会社だっけ?

17時までって言ってたのに、何してるの……もう18時だよ…。