初恋フォルティッシモ





ユリナはお泊まりに必要なものを。

で、勇佑は夜ご飯を。

会計で、これも勇佑がまとめてお金を出してくれた。



「ありがとっ」

「出費がかさむなー」

「でもユリナ、勇佑に買ってもらった指輪ちゃんと毎日肌身離さずつけてるよ。ほらっ」



コンビニからの帰り道。

ユリナがそう言って指輪を見せると、勇佑は「高かったんだから当たり前だろ」と言う。

…冷たい。

あんまりケチだと女のコに嫌われるよ、なんて。

ケチではないね。ユリナがたかりすぎなんだね、きっと。

でも、気にしない。


去年の“合コン”の時みたいに手を繋いだら、今度は勇佑の手が冷たくて、ユリナが温かかった。





コンビニから帰って来ると、勇佑が夜ご飯を食べている間にユリナはお風呂を借りた。

そこでも懲りずにユリナは浮気チェックをしたけど、これも見つからなかったから独りホッと胸を撫で下ろす。

冗談交じりで「一緒に入る?」って聞いたけど、勇佑にあっさり断られた。…辛い。


一回でいいから、勇佑に「愛してる」って言われたい。

勇佑がちゃんとユリナを「愛してる」っていう証拠が欲しい。目に見える証拠を。


そんなことを考えながらゆっくり湯船につかっていたら、その時脱衣場のドアが開く音がした。



「!」