…ナニ…?

ユリナはその勇佑の一言に、独り首を傾げる。

っていうか、ユリナの「逢いたかった」はスルーなんだね。


相変わらずの勇佑に少しがっかりしながらも、ユリナは勇佑の部屋にお邪魔して廊下を進んだ。



「なに?何かくれるの?」

「いや、俺今バイトから帰ってきたとこでさー。腹減ったなーと思って」



そして、言った。

ユリナ何か作ってよ、と。


でもユリナは料理とかほとんど出来ないし、思わず顔をしかめる。



「えぇー、ユリナそんなつもりで来たんじゃ…」

「んじゃ何しに来たの?」

「!」



な、何しに来たって。

もうこの男は!



「勇佑に逢いに来たの!さっき言ったじゃん!ね、今日泊まっていいっ?」

「飯作ってくれるんならなー」

「!」



勇佑はユリナの言葉にそう言うと、冷蔵庫からビールを取り出す。

…その条件はずるい。

ユリナはそう思いながら、ちょっと考えたあと言った。



「っ…あ、なんちゃらエッグなら作れるよ!」

「スクランブルエッグな。っつか卵ない」

「カップラーメン!ユリナお湯沸かせる!」

「…それ昨日も食った」

「えー、何それー」