勇佑は、ユリナが来るとは思ってもみなかったんだろう。

ユリナと目が合った時、びっくりした顔をしていた。

そして一方のユリナは、その間に瞬時にチェックする。


…女物の靴…香水…そして勇佑の、雰囲気。

……うん、大丈夫みたい。

靴も勇佑のしかないし、女物の香水の匂いだってしない。

それに、勇佑の様子だってびっくりしてはいるけど、いたって普通だ。特に慌てた様子とかもない。


ユリナはそう思うと、一気に安心感が湧いてきて思わず勇佑に抱きついた。



「勇佑っ…!」

「!」

「よかったぁ…っ」

「?」



女、連れ込んでなくてよかった。

ユリナがそう思いながら言うと、何が何だかわからない勇佑が言う。



「どした?いきなり。何か俺危ない状況にでもなってたの?」



勇佑はそう言うと、ユリナの様子にちょっと笑う。

でももちろん、そんなんじゃない。

「逢いたかった」ってユリナが勇佑に抱きついたまま言うと、勇佑はユリナの頭に優しく手をやって、



「っつか、ユリナいいところに来た」

「?」



そう言って、不敵に笑った。