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レストランを出たあと、友達に言われた通りに勇佑に一切連絡をしないままマンションに向かった。
最近、何を言っても「忙しい」が口癖みたいになってきている勇佑。
まぁ、来週新しい会社に転職するみたいだから、それの準備とかもあるだろうし、仕方ない。
こう見えて、ユリナだってわかってる。
いつまでも子どもじゃない。
でも…不安、なんだな。
嫌だな。何事もなかったらいいのに…。
そう思いながら、電車に揺られることほんの数分くらい。
そんなに遠くない、むしろレストランから近い位置に勇佑のマンションがあるから、到着するのは早かった。
…本当に、女の人連れ込んでたらどうしよ…。
ムカついて殴っちゃうかもしんない。
でも、落ち着こう。そうなったら殴る前に落ち着け…自分。
そう思いながら、静かで綺麗なエレベーターに乗る。
勇佑の部屋は、7階。
久しぶりすぎて忘れちゃいそうになってたけど、なんとか思い出した。
勇佑…帰って来てるかな。
そう思いながら、玄関のチャイムを鳴らすと…
「…!」
ドアの奥から、微かに足音が聞こえてきて…
「はーい」
「!!」
中から、ひょっこり勇佑が顔を出した。
「勇佑…!」
「え、ユリナ!?」

