そしてまた、三島くんと目が合う。

するとあたしは、言葉を続けた。



「あたしはね、三島くんがした“あの行為”が…ショックだった、わけじゃないんだよ」

「…え？」

「何か、さ。あの時の三島くん、いつもと違ってほんと怖かったから。あたし…脈ナシなんだぁって。

三島くんが、あたしの気持ち最後まで聞かなかったから…聞く気がないって、“どうでもいい”って、言われてるみたいだったの」


「！」



だから、それがショックだった。

あの行為そのものは、そこまでショックじゃない。

だって、あたしは三島くんのことが好きだったんだから。


するとあたしの言葉に、三島くんはびっくりしたような顔をして…そのまままたうつ向く。

あたしがあの行為に、ショックを受けたと思ってた？


そしたら三島くんがまた謝るから、あたしは「もういいんだよ」ってこの場を無理矢理に終わらせた。

だって、もう終わったことだもん。

今は三島くんが「気持ちがなかったわけじゃない」ことがわかったから、それだけでもう満足。


それでも、謝ってくれたあとの三島くんが、少しスッキリした顔をしていて、あたしもそれを見てホッとした。

そんなあたし達の姿を、“ある人物”が見ていたとは知らずに……。