ダメ元で、言い逃げるつもりで…三島くんに告白をした。



「あたし…あたしね、高校の時、三島くんのこと好きだったんだ」

「…!?」



三島くんは、いきなりのあたしの告白に当然びっくりしていた。

…って、そりゃそうだよね。

もうあれから月日が経っているとはいえ、吹奏楽の時の「合宿」であんなことがあったのに…

三島くんは、今のあたしの気持ちを知らないに決まってる。



“も、きらい”

“え、”

“あたし、三島くんキライ…っ”



あんなことまで、言ったから。

そして、あたしの言葉にびっくりしたまま立ち尽くす三島くんに、あたしは言葉を続けて本音をぶつけてみた。


…伝わった、かな?

緊張で、少し…体が震えて。

泣きそうになる。


だからあたしは、言うだけ言って、逃げるように改札を通り抜けようとした。




……しかし、その時。




「っ…先輩!」

「っ…!?」



あたしは、何故かいきなり…後ろから勢いよく三島くんに抱きしめられた。



「み、三島くん!?何してっ…」