初恋フォルティッシモ


「三島くん…っ」

「!」



一瞬、ほんの一瞬だけ麻妃先輩の顔がまた泣きそうになった。…気がする。

だけど先輩はその瞬間、その顔を隠すように…



「…ありがと」



俺のすぐ目の前にやって来て…俺の肩に頭を預けてきた。



「!!」



や、やべっ…!?


その突然の思いもよらない甘い展開に、一瞬にして俺の心臓がバクバクと騒ぎだす。

ついさっき麻妃先輩を思い切り抱きしめた直後だけど、先輩の方からこんなふうにされるのはまたちょっと話が違う。

だ、抱きしめても…いい、のか?

俺はそう思いながら、ゆっくりと麻妃先輩の背中に腕を回そうとして…


…けど、



「…でも」

「…?」



ふいにまた、次の瞬間麻妃先輩が顔を上げて、悲しそうな顔をして言った。



「ごめんね、三島くん」

「え?」



ごめん、って?


その一言に、嫌な予感が脳裏を過る。



「あたし、きっと…いや絶対、三島くんが思ってるような女じゃない」

「!」

「だから、一緒にはいられないよ」