初恋フォルティッシモ


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「三島くん、今日は疲れたでしょ」



それから時間が経って、すっかり暗くなった夕方。

そろそろ時刻が終業時間に差し掛かろうとしていた時、麻妃先輩が俺にそう言った。

今日は初日だったもんね、と。


そして、そんなことを話していたら、やがて会社のベルが鳴って、皆がそれぞれに席を立つ。

同じ部署の、同じくらいの年齢の男の先輩数人に「飲みに行くぞ」と誘われたけれど…俺はその時大事なことを思い出した。



「…あっ、先輩!」

「?」



しまった。

そういえば昼間、麻妃先輩はあの渡辺のおっさんに呼び出されていたんだった。

そう思って、すぐに周りを見渡して麻妃先輩を探すけど…麻妃先輩はもうここにはおらず、既に鞄すらなくなっている。



「どした?三島」

「…っ」

「早く飲みに行こうぜー」



酒は正直飲みたいけれど、今はそんなことよりもまず麻妃先輩優先だ。

俺は先輩達に謝ると、直ぐ様8階の会議室に走った。


頼む、間に合ってくれ…!





…………けど。