初恋フォルティッシモ


―――――――――
―――――――――


その後、会社に到着すると、やっぱり本当に俺は麻妃先輩と同じ部署だったらしく、最初の自己紹介でもそれについて周りに散々聞かれた。

「付き合ってたの?」とも聞かれたけれど、麻妃先輩に迷惑かけないように「そういうんじゃないっす」とも答えておいた。


…なんか、最初の数時間でかなり疲れたな。


今日は初日だから社内の軽い説明や、麻妃先輩と一緒に他の部署に挨拶まわりをするらしい。


………けど。


挨拶まわりの最後の部署で、“経理部”に足を運んだ時…

俺はふいに、見覚えのある人物に遭遇した。



「…!」



…あれ?あの、奥にいる人…


俺が思わずその人を見つめていると、俺の隣で麻妃先輩が言う。



「三島くん、ここが経理部ね。あの奥にいる人が部長で、渡辺部長」

「…へぇ」



渡辺部長っつうんだ。あのおっさん。

俺はその人を心で睨み付けながらも、麻妃先輩に続いてその人に近づく。

麻妃先輩がそいつを呼んで振り向いたその時、俺は「やっぱり」と確信した。


コイツ…間違いない。



この前、ホテルの前で麻妃先輩といた相手の男だ。