……夜中出歩くな。
 
俺はガキの頃からよく言われていた。
夜中出歩くと悪いもんが出てくる、と。
 
俺は信じていなかった。
何故かと言えば、案外そう言うもんも闇夜を嫌うって信じてたから。
 
ばぁちゃん、ごめんなさい。
俺、間違ってたよ。
 
「いつまでうじうじしてるつもりですか」
凛とした声に顔をあげる。
「とりあえず庄平さん。
追っ手が来ているようなので、こういってくださいね」
「誰が庄平さんだ。立て籠り犯」
「へー。貴方は以外にも人質として扱われたいのですか?小五郎さん」
「止めろ。
俺は某名探偵アニメの使えない探偵でもなんでもない」
そうですか、と無関心な返事が返ってきた
 
どこまでも自分勝手な女だ・・・・・・
 
「あ、こういってくださいね。
何かあったのですか、と聞いたら説明が来て、中を調べると言うかも知れません。そしたら中に入れてくださいね。
大丈夫。
切り捨てたりしませんよ。
それが終わったら私の名前でもなんでも教えて差し上げましょう」
「……今じゃダメなのか?」
「今教えたら私達は人質関係が崩れて貴方は私と一緒に暗い牢獄行きです」
「……分かった……」
 
そんなのはごめんでしょ?という笑みで言われては呑み込むしかないのだ。