そして、私にはもう一人
とても気になる人がいる。



もちろん
天敵という意味ではなく
良い意味で気になる存在。



隣の席に座る
少し天然な男の子。



彼の茶色いフワフワした髪が
日差しに照らされて
私にはいつも
キラキラ光って見える。



まるで、王冠をかぶった
王子様みたい…。



そんな彼は
いつもニコニコしていて
こんな私にも
すごく優しくしてくれる。



お昼にたくさんの生徒たちが
ゴチャゴチャしている購買で
背が小さい私の代わりに
パンを買ってくれたり
一緒に日直になると
高いところの黒板消しを
いつも助けてくれる。



そんな優しい彼のことを
私はいつも目で追ってしまう。



でも
背も気も小さい私なんかに
彼みたいな王子様が
振り向いてくれるわけないよね…。