まだ、私達には勝ち目があるそう思えそれも、クラスの人達は思うことは同じく
「まだ、勝ち目があるね!」
「だな!!」と喜んでいた。

「お疲れ様、高杉君」と声が聞こえ声に聞こえた方に目を向けると空咲花と高杉君がいた。


「お疲れ様!高杉君!頑張ったね!すごい!すごいよ!」


私は、興奮しながら高杉君を褒めまくった。

「そ、そんなことはないよ…空咲花が、応援してくれたしみんなも応援してくれたから頑張ろうとあの時思えたから勝てただけだよ」


高杉君は、そう言うと照れているのか顔を真っ赤にしながらそっぽを向いて口元を袖で隠した。

「耳赤いぞ〜高杉〜それに、高杉のくせに生意気だ!この野郎〜」



とさっきまで傍観者だったはずの龍星が近くに来ていてそう言うなり高杉君の首を締めながら空いている手で髪をぐちゃぐちゃにしていた。

「やめろよ、龍星〜お前は、まずもっとがんばれよ〜」
と髪をぐちゃぐちゃにされながらも怒らずに茶化す高杉君がいていつも通りの光景だな〜と空咲花と私は笑いながらそちらへ向かった。

「ははっ、2人ともいちゃつかないでよね〜」
私は、笑いながら2人を茶化した。
その言葉に不満がやはりあるのか高杉君が
「はぁ〜!?やめろよそんなことないわ〜こいつとかありえね〜」
高杉君は、すごく嫌々そうに龍星の方を指さして言った。

「それは、こっちの台詞だわ俺だってないわ〜」


龍星は、少しだけ笑いながらそう言うと空咲花が

「キモイぞ龍星」


ズバッとそう言って空咲花の目は吹雪のような冷たい目線で龍星のことを見ていた。

「まぁまぁ、落ち着いて〜」
龍星は、その目を見ても怖気づかず空咲花を宥めていた。

「次は、二人三脚です選手の方たちは集まってください」


アナウンスの号令がかかりそういえば、二人三脚って誰が出るっけと思っていたら


「頑張れよ、歌楓ならできるよ!」


龍星が、いつの間に移動したのか歌楓のところに行っていて応援をしていた。

(なるほど、歌楓か次は)



私は、そういえば歌楓が手を挙げていたことを思い出し私も歌楓、頑張れ!と応援していた。

「う、うんありがとう〜負けてくるね!!」
歌楓は、最初は緊張しているのかな?と思った矢先に負ける宣言をしていておい!と皆でツッコミをかました。

「えぇー!なんで〜!」
歌楓は、皆のツッコミに不満なのか不貞腐れていて頬をふくらませていた。
「だ〜か〜ら〜!!負けるとか今言うなよ!」
空咲花は、壮大にツッコミと脳天にチョップを食らわせていてそれをなんのそのとさらりと避けた歌楓はふふんと自慢げにドヤ顔をしていたがそれがイラついたのか舌打ちをしてバシッとまた叩いていた。

「いった〜い、何するのさ〜」
歌楓は、あまり痛くなさそうで平気な顔をしながらも空咲花に講義していた。

「まぁまぁ、いいじゃないの〜空咲花もさそんなに怒らないの!」
2人のじゃれあいにチャチャを入れてきたのは、須和先生だった。

「!?先生!なんでここに!?」

「だって、まだ集まってないのお前らだけだぞ?早く行けよ!」

須和先生が、選手達の集まっている場所を指差しその指の先に私たちは目を向けてみるともう私達以外全員揃っているのが見えて急いで歌楓を行かせた。

…………
「ふぅ、間に合った〜」
「うん!あ!そういえば…頑張ろうね!」
「うん!」
二人三脚は、歌楓と今井 空藍(いまい さら)さんだ。
2人は、まだあまり話したことがなく一緒に帰ったりとかまだしてないので息が合うのかなと皆心配していたが、そんなのはいらなかったようだ。

それも、皆が驚くほどに息が合っているのでこれは1位取れるのでは?!というほどだったのだ。

「……や、やっぱり緊張するね〜〜」
「うん!だけど、楽しみでもあるよね!」
「負けてもいいし!気軽に行こう!」

「負けんなよ!!!!」

「「えぇ〜〜〜〜〜」」

歌楓の声が聞こえたのか空咲花は大声でツッコミをいれていた。

2人は、嫌そうな顔をしていたが、もう空咲花は無視していた。

「では!1列目!集合!!」

先生の、集合がかかったので歌楓達も、自分達の場所に並ぶ。

歌楓達は、最後から2番目だ。

「頑張れ〜〜〜!!!」
「いけ〜〜〜〜!!!!」
応援の、声が響き渡す中最初はやはりと言うべきか先輩達の意地で1位は取られ私たちは3位だった。


それでも、私達も意地は見せなんとか次のレースは2位を取った。

が…………

「「よっしゃ〜〜〜!!!!」」

「「……ッ」」

次のレースでは、最下位を取ってしまった。

理由は、足が揃わずバタバタになってしまい結果横転してしまったのだ。


「「ごめん……」」

「どんまい、次だよ大丈夫、お疲れ様」

空咲花は、2人を励ましているが空咲花も悔しそうなのか少し隠しきれていない。

次は、歌楓と空藍さんのレースだここで、3位以内に入らなければ3年との差が出来てしまうため、出来れば頑張って欲しいが……

「歌楓、負ける気満々じゃん…………」

空咲花は、呆れたように言っているが

「大丈夫だよ、2人なら」

「はぁ…なんか、龍星が言うと何故か説得力あるよなたまにだけど……」

「え?最後の言葉聞こえなかった〜〜なんて??」

「もういいわ!」

「ふふん」

「うざっ…」ボソリ

龍星が、空咲花に近づき2人なら大丈夫と声をかけている。
珍しい…

それに、空咲花は目を見開き驚いたがすぐに元の顔に戻し、そうだねと言い最後に、やはりと言うべきか褒めたことに少しの羞恥を感じたのかすぐに毒をはいたが龍星にはきかなかったらしい……

いつも通りだな〜とその風景を見ながら私は、歌楓達のレースを今か今かと待っていた。