…体育祭当日
バサッとベッドから降りてシャッとカーテンを開けると雲一つない晴天だった。
やっとやっと今日が来たのだ。
「っ〜〜〜!!体育祭だぁ〜!!」
とよっしゃ〜!といいながら朝からバタバタと忙しく足を動かした。
まず、1階まで降りて顔を洗いその後リビングへ行き朝ごはんを食べた。
その後、着替えて外に出た。
今日は、誰がいるのだろうと待ち遠しく扉を開けてみるとその光景に驚いた。
待っていたのは……
「か、翔くん!?」
とびっくりした。
「…おはよ」
「お、おはよ」
「行くか」
「うん」
と会話をし隣並んで歩いた。
どうして、翔くんがと思い空咲花仕掛けたなと思って少しだけイラッとしたがそれは、比喩に終わった。
「昨日さ、空咲花からLINEが来て一緒に行こうと誘われたんだけど急に準備で行けなくなったごめん!っていうLINEが来たんだよ」
「そうだったんだ」
「なんか、皆で行く予定だったのにごめんね、って全員に謝ったらしい」
「まじか!」
「おう」
空咲花は、2人っきりにさせるんじゃなく皆で行こうとしてたんだと知り少しだけ罪悪感を抱いた。
「…空咲花さ、準備のために早く行ったらしいけど眠くないのかね」と翔くんが急に口を開いた。
「うーん…多分、眠くてイライラしてるかもね」
と私は先に学校へ行き準備をしているであろう空咲花を思い浮かべグチグチと愚痴を言いながらも手を動かし須和先生と一緒にやっているのであろうことを想像した。
「美玲は、眠くねーの?」と顔を覗き込むような感じで首を傾けて聞いてきた。
「私?昨日は、ちゃんと寝れたから大丈夫だよ!翔くんは?」と聞くと
「俺?俺は、めっちゃ眠い…いつも、こんな時間に起きてないから今目の前に布団があったら寝てるな」と眠そうに目を細め翔くんは呟いた。
「翔くんらしいね〜」とそんな話をしていたらいつの間にか学校の門が見えてきた。
「よっしゃ〜、今日はリレー頑張ろうな」とニカリと笑って翔くんは爽やかな印象を思わせる感じで言った。
その時、サァーと風が吹き翔くんの髪がなびいてそれがとてもかっこよくそして、とても爽やかであの時の初めて出会った翔くんのイメージに似ていた。
「うん!頑張ろうね!」と見惚れて返事が返せてないことに気付きそれを思わせないように私も明るく返した。
いよいよ、体育祭の始まり…
…………
ガヤガヤと騒がしい運動場。
開演式が始まりその後席について次の指示を待っていた。
そして…
「第1種目は、50m走です」
と始まり50m走は、誰もいないので頑張れ〜と応援し結果は、3位だった。
まぁまぁ、いい結果だったので須和先生が凄いぞ〜!と褒めえていた。
「次に、100m走です」
100m走は、確か…
「頑張ってね、悠」
「うん、ありがとう愛瑠」
と会話が聞こえやっぱりか〜と思った。
100m走は、田鞍くんが出るのだ。
頑張って欲しいなと思いながらいよいよ田鞍くんの番田鞍くんと一緒に走るのは先輩達だ。
これは、負けるかな…と思うかどうだろうと思いその瞬間、パンッ!と乾いた音が響き渡り一斉に走り出した。
「いけ〜〜!田鞍〜!」
「頑張れ〜〜!!」
と田鞍くんの応援をする声が響く。
そして…
パンッともう一度乾いた音が鳴り
どうなったんだ?見えなかったね〜
とザワザワし出す。
「今の結果は、2組が1位です!」
とアナウンスから報告があり私たちはよっしゃ〜!!!と席から立ち上がって喜んだ。
先輩たちの方を見ると悔しそうな顔をしていた。
少しだけいい気分である。
「よくやったぞ〜!田鞍!」と須和先生は誰よりも喜んでいた。
「ありがとうございます!」と田鞍くんも嬉しそうだった。
そして、アナウンスが鳴り
「次は、200m走です選手達は集まってください。」
と聞こえついに、翔くんが出る。
ついでに、龍星も出る。
私にとっては、ついでだが歌楓は、龍星に頑張ってねとグッと手を握って龍星に話しかけ龍星は、えぇーめんどくさい〜けど、頑張ると言っていた。
「行くぞ〜龍星」と翔くんが龍星を呼んでいた。
私は、そっちに目を向けるとバチッと目線があった。
「頑張ってね!翔くん私めっちゃ応援するよ!」と私も手をグッと握って翔くんに言った。
「ありがとな〜、けどすげ〜めんどくさい」と翔くんは嫌々そうにしているが少しだけワクワクしているように思えた。
「「じゃあ、行ってくる」」
と2人は声合わせて集合場所へ向かっていった。
…………
そして、待ちに待った翔くんたちの番。
「いちについて〜!よ〜い!!」
と声が響きそして
「ドン!!」パンッ!!
一斉に走り出した。
翔くんがとても、早いがやはり一緒に走る先輩達も早い今回は負けるつもりはなさそうで負けたからなのか先輩の目はマジだった。
「頑張れ〜〜!!!翔〜!!走れ〜!」と男子達は翔くんをものすごい形相で応援をしている。
「翔くん!!頑張って〜!!!」と私も負けずに応援をしている。
この声が、翔くんに届いていたらいいのに…と思っていたその時目の前を翔くんが通り過ぎる直前目線が合いそして…
"1位になるから"
と口がそう言っているように見えた。
そして、その直後翔くんがスピードを上げ先輩達を抜かし見事に抜かして1位になった。
「「「「「…わ〜〜〜!!!!すっご〜い!!!」」」」」
と皆同じ事を口々に言い翔くんのところへ行って翔くんをもみくちゃにしていた。
翔くんも、すごく嬉しそうで照れているような感じで満面の笑みを浮かべていた。
そして、龍星も足が早かったためか結果は、4位だった。
龍星も、先輩達を抜いて5位以内に入っていて皆であの龍星が!?とびっくりしていたが歌楓は、お疲れ様頑張ったねと微笑ましそうにニコリと笑って龍星もそんな歌楓を見て耳まで真っ赤にして嬉しそうだった。
「お疲れ様、翔くん凄かったね!あんなにも一気に抜いて走るなんて先輩達も思っていなかっただろうね」と私は、興奮気味に翔くんにすごいねすごいねとまるでその言葉しかしらないように言った。
「ちょ、ちょっと待てって美玲落ち着け」と翔くんは顔を真っ赤にしてすごく照れた様に両肩を両手で抑えた。
そして、私が止まるとふぅと息を吐き出し
「ありがとな」と翔くんは、ニカリと笑って嬉しそうに言った。
その顔がとても可愛くてこっちも今更照れてしまった。
「う、うん///」
と私は口ごもりながら言った。
「…あ、あのな美玲の声ちゃんと聞こえたよ///」と翔くんはフイッと顔を背けながら目線が定まらずキョロキョロと動かしいつもの冷静さがないように落ち着きなく体を動かして言った。
「…え!?///そ、そうなの!///…あ、ありがとう///」
「お、おう/////」
「「……///」」
私たちは顔を真っ赤にして恥ずかしくて言葉がひとつも出てこなかった。
そして、何分の無言の空間が出来たのかわからないその時だった。
「次は、400m走です選手達は集まってください」
そう、アナウンスがなって私たちはハッとし
「「あ、あの!」」
「あ」
「…」
と2人とも同時に同じ言葉を発してまた無言になってしまったが先に口を開いたのは翔くんだった。
「応援ありがとなほんと次は高杉だっけ?応援しに行こうぜ」と言ってさっさと席の方へ歩いてしまった。
「……あ、待ってよ〜!」と私は、ハッとして急いで翔くんを追いかけた。
私は、追い付いてホッとしていたからわからなかったが翔くんの顔が真っ赤になっていて必死に周りにバレないようにしていたのは誰も知らない。
…………
そして、400m走が始まった。
高杉君は、最後のレースで最悪なことにこの学校で1番早い先輩に当たってしまった。
皆、高杉君のレースは見逃せないと席について真剣に緊張した面持ちで見入っていた。
最初のレースでは、先輩達は余裕の1着
次のレースでもそのまた次のレースでも余裕の1着でゴールしていてすぐに得点に加算され追いつかれそうな勢いだった。
次の高杉君のレースで高杉君がそれを食い止めなければ1年の私たちに勝ち目がなくなってしまう可能性がある。
さっきまであんなにも盛り上がっていた1年はその崖っぷちのところに立たされ青ざめてしまっている。
その、逆で先輩達は応援に火がついていた。
「やっちまえ〜!!!」
「1年なんかに負けるなーー!!」
「頑張れ〜〜!!!」
という声が響き渡っていた。
これは、ほんとにやばいと思う。
それに、遠くてあまり良く見ることは出来ないが高杉君の顔が強ばっていて肩に力入ってて緊張してると隣の空咲花が心配しまくった顔でそう言っている。
「空咲花、大丈夫高杉君ならきっと勝てるよ!負けるなんてないって!」
私は、そう自分にも言い聞かせるようにそう言うが
「そんなのわからないじゃん!だって、負けないと思っていたのにもう追いつかれてるんだよ!?」
空咲花はそう焦りを滲ませたような声色で言ってやっぱり今年も負けるんだよとか細い声でそう言うと席を立って私、ちょっと…と言ってどこかへ行ってしまった。
そして、私はシーンと黙ってしまった。
(空咲花…どうしてあんなに怒ったんだろう…)私は冷静になった頭で考えた。
そして、一つの可能性が浮かんだ
そう、空咲花は情緒不安定だ
だから、八つ当たりをしてしまったのだろういつもの空咲花なら私の言葉をすり抜けてちゃんと理解して答えを出すだろうだが、あんなにも感情的に怒るのなんて不安定な時しかない。
(後で、空咲花の話を聞かなきゃな)と改めて考えたその時…
「位置について〜!!よ〜い!」と先生の声が響きハッとしたのも束の間
「ドン!!」
パンッ!!
という音で一斉に走り出し1番最初に前に出たのは…
「いけ〜!!高杉〜!」
そう、高杉君だった。
「頑張れ〜!!」と私も負けず声を張り上げ応援する。
だが……
6週目までは良かった7週目に入ってから今高杉君は3位にいる。
先輩達が、体力を溜めていて一気に抜いていったのだ。
さっきまでの勢いがなくもうすぐで8週目になりもう終わってしまう…
さっきまで、応援していた1年の皆ももう無理か終わったななど言って負ける方に傾いてしまった。
私も、もう無理だと思ったその時……
「…た、高杉君!!頑張れ!!」
そう応援する声が聞こえその声が聞き覚えのある声で声のしたほうを見てみると空咲花だった。
「空咲花!!」と私が驚いて声を出すと空咲花はこちらを見て最初はフイッとそっぽを向いたがまたこちらを見て
「応援なしじゃ走りたくなくなっちゃうよ!!」
空咲花は得意げに私達の方に声をかけ
「だ、だから最後まで応援しようよ!」と空咲花が言った。
「そうだな、それもそうだな!」と周りから声が聞こえ始めまた頑張れ〜!!と応援の声が響いた。
「よし、最後まで応援するぞ〜!」と男子が盛り上がり旗を振り回すなど応援団なみに応援し始めた。
女子は、少し引いていたが男子についていくように声を出し始めた。
そして、それを聞いて歩いていたからなのか体力も少しは回復したらしい高杉君が走り始めた。
「いけ〜!!」と1年が盛り上がり初めそれに焦り始めた先輩達がダッシュしろ〜など言っている間に1人高杉君が抜いた。
後、1人〜!と盛り上がり始めたがあと少しでゴールになる先輩達
ドキドキと緊迫の空間になり始めたが頑張れ〜!!と応援をやめない私達
そして、高杉君とその先輩が並びどっちだ!?と思った時には同時にゴールしていた。
そして、どっちだ?どっちだ?とガヤガヤし始めそれを撮っていた先生達がビデオ判定し始めた。
みんなは、その判定が待ち遠しくガヤガヤしていた。
そして、先生達が判定が終わったのかいっせいに出てきて1人の先生がマイクを持った。
「では、判定をし終えたので発表します1位は……1年2組高杉 蛍です!」
「…や、やった〜〜〜!!!!!」
「よっっっっしゃ〜〜〜!!!!」
と1年は、その判定に喜び先輩達はガクッと項垂れていた。
バサッとベッドから降りてシャッとカーテンを開けると雲一つない晴天だった。
やっとやっと今日が来たのだ。
「っ〜〜〜!!体育祭だぁ〜!!」
とよっしゃ〜!といいながら朝からバタバタと忙しく足を動かした。
まず、1階まで降りて顔を洗いその後リビングへ行き朝ごはんを食べた。
その後、着替えて外に出た。
今日は、誰がいるのだろうと待ち遠しく扉を開けてみるとその光景に驚いた。
待っていたのは……
「か、翔くん!?」
とびっくりした。
「…おはよ」
「お、おはよ」
「行くか」
「うん」
と会話をし隣並んで歩いた。
どうして、翔くんがと思い空咲花仕掛けたなと思って少しだけイラッとしたがそれは、比喩に終わった。
「昨日さ、空咲花からLINEが来て一緒に行こうと誘われたんだけど急に準備で行けなくなったごめん!っていうLINEが来たんだよ」
「そうだったんだ」
「なんか、皆で行く予定だったのにごめんね、って全員に謝ったらしい」
「まじか!」
「おう」
空咲花は、2人っきりにさせるんじゃなく皆で行こうとしてたんだと知り少しだけ罪悪感を抱いた。
「…空咲花さ、準備のために早く行ったらしいけど眠くないのかね」と翔くんが急に口を開いた。
「うーん…多分、眠くてイライラしてるかもね」
と私は先に学校へ行き準備をしているであろう空咲花を思い浮かべグチグチと愚痴を言いながらも手を動かし須和先生と一緒にやっているのであろうことを想像した。
「美玲は、眠くねーの?」と顔を覗き込むような感じで首を傾けて聞いてきた。
「私?昨日は、ちゃんと寝れたから大丈夫だよ!翔くんは?」と聞くと
「俺?俺は、めっちゃ眠い…いつも、こんな時間に起きてないから今目の前に布団があったら寝てるな」と眠そうに目を細め翔くんは呟いた。
「翔くんらしいね〜」とそんな話をしていたらいつの間にか学校の門が見えてきた。
「よっしゃ〜、今日はリレー頑張ろうな」とニカリと笑って翔くんは爽やかな印象を思わせる感じで言った。
その時、サァーと風が吹き翔くんの髪がなびいてそれがとてもかっこよくそして、とても爽やかであの時の初めて出会った翔くんのイメージに似ていた。
「うん!頑張ろうね!」と見惚れて返事が返せてないことに気付きそれを思わせないように私も明るく返した。
いよいよ、体育祭の始まり…
…………
ガヤガヤと騒がしい運動場。
開演式が始まりその後席について次の指示を待っていた。
そして…
「第1種目は、50m走です」
と始まり50m走は、誰もいないので頑張れ〜と応援し結果は、3位だった。
まぁまぁ、いい結果だったので須和先生が凄いぞ〜!と褒めえていた。
「次に、100m走です」
100m走は、確か…
「頑張ってね、悠」
「うん、ありがとう愛瑠」
と会話が聞こえやっぱりか〜と思った。
100m走は、田鞍くんが出るのだ。
頑張って欲しいなと思いながらいよいよ田鞍くんの番田鞍くんと一緒に走るのは先輩達だ。
これは、負けるかな…と思うかどうだろうと思いその瞬間、パンッ!と乾いた音が響き渡り一斉に走り出した。
「いけ〜〜!田鞍〜!」
「頑張れ〜〜!!」
と田鞍くんの応援をする声が響く。
そして…
パンッともう一度乾いた音が鳴り
どうなったんだ?見えなかったね〜
とザワザワし出す。
「今の結果は、2組が1位です!」
とアナウンスから報告があり私たちはよっしゃ〜!!!と席から立ち上がって喜んだ。
先輩たちの方を見ると悔しそうな顔をしていた。
少しだけいい気分である。
「よくやったぞ〜!田鞍!」と須和先生は誰よりも喜んでいた。
「ありがとうございます!」と田鞍くんも嬉しそうだった。
そして、アナウンスが鳴り
「次は、200m走です選手達は集まってください。」
と聞こえついに、翔くんが出る。
ついでに、龍星も出る。
私にとっては、ついでだが歌楓は、龍星に頑張ってねとグッと手を握って龍星に話しかけ龍星は、えぇーめんどくさい〜けど、頑張ると言っていた。
「行くぞ〜龍星」と翔くんが龍星を呼んでいた。
私は、そっちに目を向けるとバチッと目線があった。
「頑張ってね!翔くん私めっちゃ応援するよ!」と私も手をグッと握って翔くんに言った。
「ありがとな〜、けどすげ〜めんどくさい」と翔くんは嫌々そうにしているが少しだけワクワクしているように思えた。
「「じゃあ、行ってくる」」
と2人は声合わせて集合場所へ向かっていった。
…………
そして、待ちに待った翔くんたちの番。
「いちについて〜!よ〜い!!」
と声が響きそして
「ドン!!」パンッ!!
一斉に走り出した。
翔くんがとても、早いがやはり一緒に走る先輩達も早い今回は負けるつもりはなさそうで負けたからなのか先輩の目はマジだった。
「頑張れ〜〜!!!翔〜!!走れ〜!」と男子達は翔くんをものすごい形相で応援をしている。
「翔くん!!頑張って〜!!!」と私も負けずに応援をしている。
この声が、翔くんに届いていたらいいのに…と思っていたその時目の前を翔くんが通り過ぎる直前目線が合いそして…
"1位になるから"
と口がそう言っているように見えた。
そして、その直後翔くんがスピードを上げ先輩達を抜かし見事に抜かして1位になった。
「「「「「…わ〜〜〜!!!!すっご〜い!!!」」」」」
と皆同じ事を口々に言い翔くんのところへ行って翔くんをもみくちゃにしていた。
翔くんも、すごく嬉しそうで照れているような感じで満面の笑みを浮かべていた。
そして、龍星も足が早かったためか結果は、4位だった。
龍星も、先輩達を抜いて5位以内に入っていて皆であの龍星が!?とびっくりしていたが歌楓は、お疲れ様頑張ったねと微笑ましそうにニコリと笑って龍星もそんな歌楓を見て耳まで真っ赤にして嬉しそうだった。
「お疲れ様、翔くん凄かったね!あんなにも一気に抜いて走るなんて先輩達も思っていなかっただろうね」と私は、興奮気味に翔くんにすごいねすごいねとまるでその言葉しかしらないように言った。
「ちょ、ちょっと待てって美玲落ち着け」と翔くんは顔を真っ赤にしてすごく照れた様に両肩を両手で抑えた。
そして、私が止まるとふぅと息を吐き出し
「ありがとな」と翔くんは、ニカリと笑って嬉しそうに言った。
その顔がとても可愛くてこっちも今更照れてしまった。
「う、うん///」
と私は口ごもりながら言った。
「…あ、あのな美玲の声ちゃんと聞こえたよ///」と翔くんはフイッと顔を背けながら目線が定まらずキョロキョロと動かしいつもの冷静さがないように落ち着きなく体を動かして言った。
「…え!?///そ、そうなの!///…あ、ありがとう///」
「お、おう/////」
「「……///」」
私たちは顔を真っ赤にして恥ずかしくて言葉がひとつも出てこなかった。
そして、何分の無言の空間が出来たのかわからないその時だった。
「次は、400m走です選手達は集まってください」
そう、アナウンスがなって私たちはハッとし
「「あ、あの!」」
「あ」
「…」
と2人とも同時に同じ言葉を発してまた無言になってしまったが先に口を開いたのは翔くんだった。
「応援ありがとなほんと次は高杉だっけ?応援しに行こうぜ」と言ってさっさと席の方へ歩いてしまった。
「……あ、待ってよ〜!」と私は、ハッとして急いで翔くんを追いかけた。
私は、追い付いてホッとしていたからわからなかったが翔くんの顔が真っ赤になっていて必死に周りにバレないようにしていたのは誰も知らない。
…………
そして、400m走が始まった。
高杉君は、最後のレースで最悪なことにこの学校で1番早い先輩に当たってしまった。
皆、高杉君のレースは見逃せないと席について真剣に緊張した面持ちで見入っていた。
最初のレースでは、先輩達は余裕の1着
次のレースでもそのまた次のレースでも余裕の1着でゴールしていてすぐに得点に加算され追いつかれそうな勢いだった。
次の高杉君のレースで高杉君がそれを食い止めなければ1年の私たちに勝ち目がなくなってしまう可能性がある。
さっきまであんなにも盛り上がっていた1年はその崖っぷちのところに立たされ青ざめてしまっている。
その、逆で先輩達は応援に火がついていた。
「やっちまえ〜!!!」
「1年なんかに負けるなーー!!」
「頑張れ〜〜!!!」
という声が響き渡っていた。
これは、ほんとにやばいと思う。
それに、遠くてあまり良く見ることは出来ないが高杉君の顔が強ばっていて肩に力入ってて緊張してると隣の空咲花が心配しまくった顔でそう言っている。
「空咲花、大丈夫高杉君ならきっと勝てるよ!負けるなんてないって!」
私は、そう自分にも言い聞かせるようにそう言うが
「そんなのわからないじゃん!だって、負けないと思っていたのにもう追いつかれてるんだよ!?」
空咲花はそう焦りを滲ませたような声色で言ってやっぱり今年も負けるんだよとか細い声でそう言うと席を立って私、ちょっと…と言ってどこかへ行ってしまった。
そして、私はシーンと黙ってしまった。
(空咲花…どうしてあんなに怒ったんだろう…)私は冷静になった頭で考えた。
そして、一つの可能性が浮かんだ
そう、空咲花は情緒不安定だ
だから、八つ当たりをしてしまったのだろういつもの空咲花なら私の言葉をすり抜けてちゃんと理解して答えを出すだろうだが、あんなにも感情的に怒るのなんて不安定な時しかない。
(後で、空咲花の話を聞かなきゃな)と改めて考えたその時…
「位置について〜!!よ〜い!」と先生の声が響きハッとしたのも束の間
「ドン!!」
パンッ!!
という音で一斉に走り出し1番最初に前に出たのは…
「いけ〜!!高杉〜!」
そう、高杉君だった。
「頑張れ〜!!」と私も負けず声を張り上げ応援する。
だが……
6週目までは良かった7週目に入ってから今高杉君は3位にいる。
先輩達が、体力を溜めていて一気に抜いていったのだ。
さっきまでの勢いがなくもうすぐで8週目になりもう終わってしまう…
さっきまで、応援していた1年の皆ももう無理か終わったななど言って負ける方に傾いてしまった。
私も、もう無理だと思ったその時……
「…た、高杉君!!頑張れ!!」
そう応援する声が聞こえその声が聞き覚えのある声で声のしたほうを見てみると空咲花だった。
「空咲花!!」と私が驚いて声を出すと空咲花はこちらを見て最初はフイッとそっぽを向いたがまたこちらを見て
「応援なしじゃ走りたくなくなっちゃうよ!!」
空咲花は得意げに私達の方に声をかけ
「だ、だから最後まで応援しようよ!」と空咲花が言った。
「そうだな、それもそうだな!」と周りから声が聞こえ始めまた頑張れ〜!!と応援の声が響いた。
「よし、最後まで応援するぞ〜!」と男子が盛り上がり旗を振り回すなど応援団なみに応援し始めた。
女子は、少し引いていたが男子についていくように声を出し始めた。
そして、それを聞いて歩いていたからなのか体力も少しは回復したらしい高杉君が走り始めた。
「いけ〜!!」と1年が盛り上がり初めそれに焦り始めた先輩達がダッシュしろ〜など言っている間に1人高杉君が抜いた。
後、1人〜!と盛り上がり始めたがあと少しでゴールになる先輩達
ドキドキと緊迫の空間になり始めたが頑張れ〜!!と応援をやめない私達
そして、高杉君とその先輩が並びどっちだ!?と思った時には同時にゴールしていた。
そして、どっちだ?どっちだ?とガヤガヤし始めそれを撮っていた先生達がビデオ判定し始めた。
みんなは、その判定が待ち遠しくガヤガヤしていた。
そして、先生達が判定が終わったのかいっせいに出てきて1人の先生がマイクを持った。
「では、判定をし終えたので発表します1位は……1年2組高杉 蛍です!」
「…や、やった〜〜〜!!!!!」
「よっっっっしゃ〜〜〜!!!!」
と1年は、その判定に喜び先輩達はガクッと項垂れていた。