「ブフッ…いや〜、流石美玲だな…ククッマジ笑えるわ〜」



翔くんはまだ笑いが止まらないのかずっと笑いながらいい




「も〜!翔くんの馬鹿〜!」と私は、叫びながら自分の作業に戻った。



それを見て翔くんはあっといったあとごめんごめんと謝ってきた。


「マジ、ごめんって!な?許して!この通り!」と顔の前で手を合わせて悪かったごめんねと上目遣いでコテッと音が着きそうな感じで首を傾けて謝ってきた。


普通の男子ならうわぁ〜気持ち悪いよ〜と笑い飛ばすがあの翔くんがとなると話は別だ。




……


(か、可愛すぎるだろぉぉぉぉおおお!!!)


「うわぁぁぁぁああ!!何なの!!無自覚なの!?天使ですか!!もう!!!私、ゲージがやばいんですけど!?!!?死ねと!?死ねとおっしゃるんですか!?神様!!!もう〜!!…ありがとうございま〜す!!!」



…ハッ



と心の中の声が駄々漏れになっているのに気づきギギッと壊れたロボットのような音を立てるように後ろなど周りを見ると全員の目がこちらに向いていた。

(き、気まずい…)



と思ったが私の離れた所で須和先生と一緒に作業をしている空咲花は私の方を一瞬見た後すぐに自分の作業に戻り何も知りませんという感じで綺麗に全てをスルーした。


そして、その一瞬の見た時の目がまるでガチギレをして全く口を聞いてくれない時の目をしていてものすごく冷めていた。


(こ、こ、怖すぎますよ空咲花さん)



と冷や汗をかいて全力であそこまで行って土下座したくなるような感覚に襲われたのは気にしないで欲しい。



「あ、あの大丈夫か??」とたじろぎ驚いて何が起こったのかまるでついてこれなくて何があったんだ?誰か説明求むわという感じで周りをキョロキョロと見渡していた。



「き、気にしてないで!大丈夫!!私の頭がどうにかなってただけだから!ホントに!!まじで!いや〜真夏の暑さにやられたかな〜あは、あははははは〜」


どう見ても嘘丸わかりだしどう考えても下手すぎる言い訳しかできなかった…ど、どうしよ〜と焦りだし本格的に対処を考えていた時だった。



「そうなのか?大丈夫かよ、それ…空咲花みたいに倒れるなよ〜」


翔くんは普通に心配してくれるだけだった。


あれ?と思ったがふと思った。



そうだ、翔くん世界一がつくほど鈍感だった。


だから、翔くんは疑うことはしないのだまぁ、わかってもめんどくさいからまぁいっかという感じで片付けられ終わったのだろう。



これ幸いと思い

「う、うんそうなの!だ、大丈夫だよ!ありがとうね!!」と言って一目散に翔くんから離れるため距離を取るべく自分の作業の場所に駆け足で戻った。



逃げたみたいに見えるかなとも思ったが比喩に終わり翔くんも自分の作業に戻っていた。


ホッとして、
「ふぅ、良かった〜」



そう、安心し私は、その場に座りながらのんびりと作業を進めた。


あのやり方だと絶対に空咲花なら脅しても入れて聞くに決まっていたが今回は翔くんで良かったかなとも思った。


(まぁ、翔くんだしね…だから……って何考えてるんだろ私
早く作業進めないと早く帰れないし終わらないじゃん)



と無理やり思考を現実に戻して着実に作業を終わらせていった。


そして、皆と力合わせてやったおかげで予想よりも早く終わり明日の体育祭の話をして帰ることになった。

…………


「ふぅ、終わったね〜あ〜、疲れた!そして、暑い!帰りに涼しいとこ入って涼しい食べ物食べながら話そうよ〜!」


帰りの支度をしながら空咲花に駄々をこねるように言うと空咲花は


「だね、今日は暑いしちょうど涼しいの食べたいとも思ってたからいいよ」



空咲花にしてはえぇー、やだよと断りそうだったが案外すんなりとOKしてくれたので何かあるのかな?とも思ったがそうではなくただ給料日でお金が入ったからだそうだ。




ここは、バイトOKな高校なのでなるほどねと思いじゃあ、奢ってよ〜と言うと嫌そうにしたが溜息を吐いてはいはいわかったよこの間奢ってもらったしねと了承してくれてよっしゃ〜!!と嬉しがると歌楓がなになに〜と話に入ってきた。



「明日の事を空咲花と話すから涼しいとこ入って涼しい食べ物食べながら話そうって話してたの!で!奢ってくれるんだよ!すごく嬉しい〜!!」と私がらんらんしながらキラキラと輝かした目で歌楓に話すといいなーと言ったので歌楓もどう?と空咲花が誘っていた。

「けど、お金がな〜」


「奢ろうか?」



「いや、貸し借りだめ!」


「あいっかわらず律儀だね」



「そう?」


「なら、私の半分食べてよ夜食べれなくなりそうだったからちょうどいいよ」


「あ、なら行こうかな」


「じゃあ、行こう」


「うん!」


という感じで空咲花がうまく誘導して女子3人でまた行くことになった。



龍星は、えぇーまた女子と??俺も行きたいと駄々をこねていたが空咲花がまた今度ねと言って振り切った。


流石空咲花と思いながら私たちは目的地へと向かうため学校を出た。

…………
「いよいよ、明日だね〜」



と歌楓は空を見上げながら呟くように言った。


「だね!楽しみでもあるけど〜…やっぱりめんどくさい所もあるな〜…」


私が言うと空咲花が溜息混じりに言った。



「私的に明日来なくていいと思う…」


「あはは〜…」


私は苦笑いしか出来なかった。

「ん?どうしたの?」と歌楓は不思議そうに首を傾げた。



「あ、あぁ〜…空咲花さ、1回熱中症で倒れたんだよね…」


とチラッと空咲花の顔色を見ながら言った。

「…まぁ、私は、ほどほどでやるよ」



と空咲花は溜息混じりに言っていつの間に着いたのかお店の中に入って行った。



「あ!待ってよ〜」と私達は急いでお店の中に入った。

…………
「いらっしゃいませ〜、何名様でしょうか?」


という、店員の声に空咲花は3人ですと手を交えて店員に伝えていた。



「3名様ですね?では、こちらへどうぞ」


という声に私達は店員の後について行き席についた。



「良かったね、すんなり座れて」


ホッと一息した後私は、口を開きそうだね〜と歌楓がほんわかといった。

「何頼む?」と空咲花はメニューをみながら声をかけた後決めといてと言って飲みのも取りに行ってくれた。



「ありがとう〜…うーん」



と私達はお礼を言ってメニューに穴が開くのではというくらい食いついてなにを食べようか決めていた。



そして、食べるのが決まったのでボタンを押し店員を呼んで空咲花が注文した後店員が去ったのを見計らって明日の事を話し出した。



「明日、どうしようね〜」と歌楓はワクワクしたように口を開いて聞いてきた。



「そういえば、空咲花は先生と何を話してたの?」


と私は、少し気になったことを聞いた。
私たちと帰る前空咲花は須和先生に呼び出され少し会話を交えていた。



それが、少し私達は気になっていたのでタイミングもいいし聞くことにしたのだ。



「……?……あ、あ〜あれか…須和先生とは、明日のこと話してた明日少し準備頼みたいからお願い出来ないか?って聞かれたんだなんか、皆にフラれたらしいよ」


となんともないように空咲花は話した。




私達はなるほど〜と大きく頷いて納得した。


確かに早めに準備は終わったがまだ少しやらなければいけないことがあるらしく。


それを、誰かに頼もうと須和先生はクラス全員に聞いたが、やはり、皆早く帰りたいとのことで一斉に逃げていったクラスを追いかけずクラスでのんびりと帰りの準備をしていた私たちに目を付けたのだろ。



そして、一番まともに働いてくれそうな空咲花を選び呼んだのだろう。


"今日"とは、言わず"明日"でもいいとのことだったので明日がいいと言って見逃されたのだろう。



「大変だね…」と私は、苦笑しながら空咲花にそう返すことしか出来なかった。



だけど、空咲花はそんな私を見てきょとんとした顔で言った。



「別に?そうでもないよ?それに、須和先生と2人でやれるから少しだけ楽しみな部分があるんだ」と少し口角を上げて空咲花はウキウキとした感じで明日の準備だけを楽しみにしている雰囲気だ。




それを見て私達は顔を見合わせるとふと不思議に思ったことを空咲花に聞いてみた。



「空咲花ってさ、須和先生のこと好きだよね〜?なんで?そんなに、須和先生といたがるの??…もしかして…」




と私達はそのもしかしてを当ててしまうとは思わなかった。



「ん?普通に須和先生のことが好きだからだよ??」


「そ、それって…」


「うん、loveの方で」


「「あ、やっぱり〜!!!?ですよね〜!!!」」



と私達は口を合わせて心に思ったことを大声で店中に響き渡るような声で叫んでいた。




「ちょ!し〜」と口に人差し指を当てて空咲花は焦った様にまわりを見ながら言った。



「いやいや、し〜とかじゃないから…ていうか、まじか!けど……ね」


少しだけあたあたしながら空咲花に言いそして、それが叶わないことをわかっていながら須和先生に恋愛をする空咲花がとても凄いと思うしそれと同時にとても悲しくもなった。




空咲花は、叶わないと分かっていながらも頑張って1人でその気持ちを消そうとしながら恋愛をしていたのではないかと思う。



そして、歌楓も同じことを思ったのか少しだけ哀しそうな顔をしていた。



「…いやいや、そんなさ可哀想なっていう目で見ないでくれる?別にわかってるしそれに、片思いもすごく楽しいのよ?須和先生、たまに隣にいてくれるしとても安心するのだから、この高校生活が終ったらこの気持ちに区切りをつけてさよならするの!だから、邪魔だけはしないでね!あと、変な気とかもいらないから」



空咲花は、普通だよ?という感じで言ってのけた。

「えぇーけどけど、寂しいじゃん最後くらい思いを告げたって罰は当たらないよ?」



と私は、言ったが空咲花は少しだけ顔を伏せて雰囲気が少し暗くなり泣きそうな顔で言った。



「確かにね、それも考えたよけど、それは私の気持ちが楽になるだけで須和先生はそれを一生背負ってしまいそうだし生徒の思いも聞けないのかと自分を責めそうだしねだから、いいの」



と人の気持ちまで考える空咲花がほんとにすごいと思った。



「…う〜!よし!食べよ食べよ!いっぱい食べてそんなの紛らわしちゃお!」


私は、その空気を吹っ飛ばすように言いそれとちょうどに運ばれてきた美味しそうなスイーツを見てそうだねと空咲花は、ふわりと微笑んでその運ばれたスイーツを3人で食べた。

…………



「美味しかったね〜」と私は、ホワホワした気持ちで帰り道を歩いていた。



「そうだね〜、イチゴがやはり美味であった」と歌楓は何故か昔の女子のように話して感想を述べていた。
「だね、けど柑橘系も美味しかったよ」



と空咲花は、自慢げに言って携帯をいじっていた。

「そういえば、空咲花携帯いじって何やってるの?」



「ん?あ〜、ちょっとね〜」


と何故か少しだけ私たちにはウキウキしてる様に見える感じで口を開いていて私達は頭からハテナマークが出た。



「ふはっ、ただのメールだよそんな疑わなくても」



と空咲花は無邪気にわらいながら私たちの方を向いて言った。


「じゃあ、誰とメールしてるの??」


と歌楓が聞くと



「ん?あ〜、明日のことで質問攻めなメールだよクラスの人ね」



と付け足しをしてメールのやり取りをしている人たちのことを私たちに伝えなんだ〜と私達が少しだけホッとしていたのは空咲花に気づかれていないだろうか。


それと、同時に空咲花は誰にも聞こえない小さな声でごめんねと言っていたのを美玲達は知らない。



…………



「じゃあ、私こっちだからまたね」



と空咲花は私たちと違う道に逸れて行ってまたね〜と返した後歌楓と2人並んで歩き歌楓の家の前で


「じゃあ、また明日ね〜」と返し家までの道を歩いた。


……




「はぁ、いよいよ明日か〜」



と誰かに聞かせるでもなくひとり道の真ん中で呟いた。



「あ、そういえば空咲花に明日何時に準備しに行くんだろあまり早くなければ一緒に行こうかな」


とふと思い至り空咲花にLINEを送ることにした。



(空咲花〜、明日何時に準備しに行くの??)



と送り既読がつくのを待った。



そして、家が見えてきて門の前に立った時ピコンと音がして見てみると空咲花からの返信だった。