リナは玄関に向かった。


私はこの間に最近ハマってるスマホのRPGゲーム。

ちょうどタウンの建設が終わった頃で、最後に開いた時よりも建物が増えていた。


「これで魔力アップじゃ〜ん」


攻撃スキルが上がる建物ができて、これで私のキャラクターも少しは強くなれたかな。


それにしても、このゲームには魅力的なキャラクターが多すぎる。

すっごく強いゴリゴリの剣士。大人の色気が漂う魔法使い。


ゲームの世界に入ってみたい...。


最近毎日思う。

痛いことはしたくないけど、この魅力的なキャラクターたちと冒険をしてみたい。

この自然豊かな世界で暮らしてみたい。



...まぁ、所詮はゲームなわけで、こんなことあるわけが無いんだけど。



「...ちょっと!」


「わ!ビックリした!!」



スマホを見ていたため、下を向いていたからリナが戻っていたことに気が付かなかった。



「聞いて!イオリ、風邪が酷くて出られる状態じゃないってイオリのお母さんが...」


風邪?


「サボりじゃなかったの?」


「いや、私もそう思ってたんだけど、今回はほんとに風邪らしい...」


「んでゲームは?」


「イオリのお母さんにイオリに渡すように頼んでおいた」


「そっか」



イオリが風邪なんて珍しい。

3年間一緒にいたけど、風邪をひいたところなんて見たことがなかった。