「あ、でも私今日早く帰らないと行けないからアヤと行ってきて!」


「え、あたし?」


レイカは手を合わせて「ごめんね」と口パクで言った。


イオリの家はレイカの家までの通り道だからついでに行けばいいのに...と思ったけど

「じゃ、お先に!」

レイカはもう講義室から出て行ってしまった。



「全員揃わなきゃゲームできないし、私たちも帰ろっか?」

「あ、うん。ありがとう」

リナから自分の鞄を受け取る。



ハヤトとシュンは2人でスマホのアクションゲームをするから、ということでまだ帰らないらしい。


私とリナはイオリに渡すゲームを持って講義室を出た。




「ねぇアヤ、今日の夜ほんとにこれやるの?」

イオリに渡すゲームを薄目で眺めるリナ。



ちなみにタイトルは『IN THE GAME』



「レイカがあんな調子じゃあ、やるだろうね」


レイカがゲームをやり始めると、誰も止められない。でも、1人でやるのは嫌いらしく、"協力プレイ"が良いらしい。



「私がいたところで邪魔なだけだよ?きっと怖くて何もできない...」

「イオリに守ってもらいな」

「なっっっ!!!!もう!!!!」



リナの一気に顔が真っ赤になる。

ちなみにリナがイオリのことを好きな理由は、恋愛ゲームに出てくる男子にソックリなんだと。