きみと恋の話をしよう

「まずは、千花って呼ぶところからスタートしてみようかな」


佐橋先輩が真顔で言い、私は笑って頷いた。


「じゃあ、私は疾風先輩って呼ぶところからスタートしますね」


恋愛小説はたくさん読んだけど、私と先輩の恋の話はようやく序章にたどりついた。

先輩と作る恋愛ストーリーはどんなに幸福だろう。
どんなにドキドキして、どんなに笑顔になれるだろう。

たまに泣いたり、怒ったりもするのかな。
でもそれって、恋愛小説では大事なエッセンス。

だから、ありとあらゆることが今は楽しみでしょうがない。


ねえ、もっとたくさん、恋の話をしましょう。


私たちは照れて笑って、もう一度お互いの身体をぎゅっと引き寄せ合った。



〈おしまい〉







時期は未定ですが、その後のふたりを続編でお届けできたらと思います。
お読みくださった皆様に感謝!


2016.2.28
砂川雨路