☆
「あ、そうだ…これ」
右手に握ったものを、ジョウは突き出す。
そこまできて、何という理由をつけるかを、忘れている自分に気づいた。
男にネックレスを渡す、自然な理由が思いつかない。
「なんだ?」
大きな手を出すケイに、しまったなと思いながらも、握っているものを落とした。
シャリ。
落ちる、鎖。
それを目で追ったケイは、次に顔を上げて彼女を見る。
「あ、いや、別にたいした意味はないぜ…結構いいものみたいだから、気に入った女にでもやってくれよ」
準備の悪い自分の頭に悪態をつきながら、ジョウは笑ってごまかそうとした。
瞬間。
ジョウの右手は、掴まれていた。
え?
と思うまもなく、右手を軸に振り回されるように、ケイは反転していて。
目の前に、自室のドアがある状態だ。
そのまま。
握られた自分の右手が、操られるようにキーパッドに押し付けられる。
え!?
指紋を感知したパッドが、彼女の鼻先で、再びドアを開けた。
こんな不自然な、ドアの開け方をしたのは──生まれて初めてだ。
「あ、そうだ…これ」
右手に握ったものを、ジョウは突き出す。
そこまできて、何という理由をつけるかを、忘れている自分に気づいた。
男にネックレスを渡す、自然な理由が思いつかない。
「なんだ?」
大きな手を出すケイに、しまったなと思いながらも、握っているものを落とした。
シャリ。
落ちる、鎖。
それを目で追ったケイは、次に顔を上げて彼女を見る。
「あ、いや、別にたいした意味はないぜ…結構いいものみたいだから、気に入った女にでもやってくれよ」
準備の悪い自分の頭に悪態をつきながら、ジョウは笑ってごまかそうとした。
瞬間。
ジョウの右手は、掴まれていた。
え?
と思うまもなく、右手を軸に振り回されるように、ケイは反転していて。
目の前に、自室のドアがある状態だ。
そのまま。
握られた自分の右手が、操られるようにキーパッドに押し付けられる。
え!?
指紋を感知したパッドが、彼女の鼻先で、再びドアを開けた。
こんな不自然な、ドアの開け方をしたのは──生まれて初めてだ。


