☆
「ちょっと、そこで待っててくれ」
部屋の前。
そう言いおくと、ジョウは自室へと入った。
たいした持ち物はない。
家族の写真が飾ってある以外は、本当に殺風景な部屋だ。
棚を開け、何か渡すにふさわしいものがないかと、急いで探す。
正装時用の化粧品、わずかのアクセサリー。
その中から、ケイはネックレスを引っ張り出した。
母親が、くれたもののひとつだ。
細い鎖なので、男の首には似合わないだろうが、邪魔になるようなものではないから、受け取ってくれそうだ。
「待たせ…」
ドアを出て廊下に戻ると、ケイが男と話をしていた。
知り合いだろうか。
「あ、では、失礼します」
男は、ケイとジョウにスチャっと敬礼すると、去っていった。
明らかなる、上官に対する態度だ。
だが、二人を見る目が「ジョウにとって、かゆくなるようなもの」を含んでいる気がした。
それを、首を震わせて振り払う。
「知り合いか?」
ジョウと同じ、パイロット所属の男だった。
しかし、向こうはごく最近配属されたようなペーペーに近いはずだ。
そんなほぼ新人と知り合い、というのも奇妙に思えたが。
「……」
ケイは、言葉では答えず、苦笑で返した。
「ちょっと、そこで待っててくれ」
部屋の前。
そう言いおくと、ジョウは自室へと入った。
たいした持ち物はない。
家族の写真が飾ってある以外は、本当に殺風景な部屋だ。
棚を開け、何か渡すにふさわしいものがないかと、急いで探す。
正装時用の化粧品、わずかのアクセサリー。
その中から、ケイはネックレスを引っ張り出した。
母親が、くれたもののひとつだ。
細い鎖なので、男の首には似合わないだろうが、邪魔になるようなものではないから、受け取ってくれそうだ。
「待たせ…」
ドアを出て廊下に戻ると、ケイが男と話をしていた。
知り合いだろうか。
「あ、では、失礼します」
男は、ケイとジョウにスチャっと敬礼すると、去っていった。
明らかなる、上官に対する態度だ。
だが、二人を見る目が「ジョウにとって、かゆくなるようなもの」を含んでいる気がした。
それを、首を震わせて振り払う。
「知り合いか?」
ジョウと同じ、パイロット所属の男だった。
しかし、向こうはごく最近配属されたようなペーペーに近いはずだ。
そんなほぼ新人と知り合い、というのも奇妙に思えたが。
「……」
ケイは、言葉では答えず、苦笑で返した。


