VS IV Omnibus1 撃墜女王



 少し、敵の話をしよう。

 ジョウ達が戦っている相手は、IV(アイヴィー)というあだ名で呼ばれている。

 正式名称「インヴィジブル」。

 その名の通り──「見えざる者」だった。

 二十年前のある日、人間の入植していた星が、ひとつあっけなく全滅した。

 当初、伝染病などが考えられ、無人探査機を送ったところ。

 明らかな攻撃の痕跡が、全土に渡っていた。

 しかし、人間以外の存在を、あらゆる索敵を駆使しても、確認することは出来なかった。

 その星を、足がかりに。

 近くの入植星が、次々と同じ結果をたどり始める。

 だが、どうしても痕跡を見つけられない。

 そこで、ようやく人間は気づいたのだ。

 敵は、見えない何かなのだ、と。

 人間の目は、光の反射でしか物が見えない。

 ということは、光の屈折率が、人間の常識を超える存在がいたとしたら──それは、見えないのだ。

 挙句、既存のあらゆるレーダーもセンサーも感知できない。

 この宇宙時代に、ゴーストや神の怒りだと騒がれたが、ゴーストや神が武器を使うものか──軍人は、誰よりも現実的だった。

 科学者の尻を引っぱたき、リアリストたちは、見えざるものを見、感知するための装置の開発に着手した。