砂漠の夜は日中に反して、冷たく厳しい凍てつくような寒さがやってきた。
それでもアンジェは、日中に吸収した熱を夜に開放してやった。
すると、再び周囲はアリストの腕に抱かれたような優しい空気に変わる。
喉がからからに渇いた時は死の砂漠にありえない出来事を起こすように、イリス一瞬のスコールを呼んだ。
恵みの雨は魂を潤おわせてくれた。
どれくらい歩いただろう、いつものように空腹が訪れた。
アンジェは背負っていたカバンから旅立ちの日に王から与えられた干し肉を取り出し3人で分け合って食べた。
『本当に王には感謝しなければ・・・』
『ええ。頂きます』
『王様、頂きます』
その干し肉は、病気がちな王の為にシェフが他国から取り寄せているという、滅多なことでは手に入らないといわれている逸品で、味は、どちらかというと無味に近く食欲を掻き立てるような食の楽しみは味わえないが、持ち歩きにも軽くて栄養価が高い。
一口齧るだけで消耗した体力を一気に蘇らせてくれるほどのものだった。
厳しい死の砂漠へ旅立つ3人に対し、他の荷物を減らしてでも此れを持て!と命じられた王の強い心遣いと深い愛情が今になって感じ、その優しさに胸が痛む3人だった。
それでもアンジェは、日中に吸収した熱を夜に開放してやった。
すると、再び周囲はアリストの腕に抱かれたような優しい空気に変わる。
喉がからからに渇いた時は死の砂漠にありえない出来事を起こすように、イリス一瞬のスコールを呼んだ。
恵みの雨は魂を潤おわせてくれた。
どれくらい歩いただろう、いつものように空腹が訪れた。
アンジェは背負っていたカバンから旅立ちの日に王から与えられた干し肉を取り出し3人で分け合って食べた。
『本当に王には感謝しなければ・・・』
『ええ。頂きます』
『王様、頂きます』
その干し肉は、病気がちな王の為にシェフが他国から取り寄せているという、滅多なことでは手に入らないといわれている逸品で、味は、どちらかというと無味に近く食欲を掻き立てるような食の楽しみは味わえないが、持ち歩きにも軽くて栄養価が高い。
一口齧るだけで消耗した体力を一気に蘇らせてくれるほどのものだった。
厳しい死の砂漠へ旅立つ3人に対し、他の荷物を減らしてでも此れを持て!と命じられた王の強い心遣いと深い愛情が今になって感じ、その優しさに胸が痛む3人だった。

