魔法の宴。

それは、成人労働者たちにとって、唯一の楽しみであり、心待ちにしている最高のひと時。

かつて貴族たちは、労働者たちが懸命に汗を流し働いたお金を税金として巻き上げ、自分たちは毎日のように宴の日々で退屈をしのいだと言う。その贅沢は一般の民衆には想像もつかないもので、憧れでもあった。

それを、楽しめるのは、やはり日ごろ国のために働いてくれている労働者達あってのこと。と、現国王は城内での無駄な宴は一切控え、貴族たちにも大げさな宴を禁じた。

税金は大切に保管され、労働者たちの労を労う為の宴だけを許可し、女たちの成人の時のドレスの生地を支給したり、家族を持った者に住まいを与えるという事にその税金は使われたりもしていた。

何度も言うようだが、それゆえに、病気がちだけどまだ若い現国王は民衆の支持が高い。