アリストの3姉妹

また、時には、なくし物を探す為の道具として、使われることがある。

なくしてしまって、どうしても見つからない大切な何か・・・。

母の形見。恋人からの贈り物。痴呆症の老人が持ち出してしまった梅干の坪・・・などなど。

焼かれてこの世に存在しなくなった物さえ時空を超えて、何処から探し出し、取り上げた奇跡さえ数少なくないという。

勿論、食料の配給とは違って、なくし物は無料で取り出してくれるわけではない。しかし、低価格でそれを行ってくれて、それにより得た収益は、街の教会、孤児院、身体障害者たちの施設などへと寄付されている。

『無くしてしまって探したい、大切なものは御座いませんか?』と、よく声を上げて、街を巡回するのも3姉妹の任務のひとつでもあった。