そんな病弱で幼少ながらも兵士たちの心を動かした、新国王ルーデル226世の命令により、千年の時を越えこの時代に掘り起こされた奇跡の三姉妹。

3人の魔女達は、今でも残る古い古い銅像“聖母アリスト像”の実の愛娘だという。

魔女なんて、遥か昔にいたとは言うけれど、そんなものが本当に存在していたのかは神のみぞ知る、みたいな・・・『魔女なんて物語の中だけの存在だ』と、誰もが思う時代だった。

そんな時代のごくごく当たり前の日常の中で、3人の魔女の復活したというニュースは、大変センセーショナルな事であったが、甦った魔女達は人々に危害を加えるどころか、日照りの続く中、雨を降らせたり、食糧難には食料を分け与えてくれたり、人々に安心した生活をもたらしてくれる者であった為、魔女達はあっという間に人々の信頼を集めた。


3人の魔女の名前は、アンジェ、イリス、ウェンディ。

アンジェは、光の精霊に愛される魔女。

イリスは、水の精霊に愛される魔女。

ウェンディは、風の精霊に愛される魔女。


『王様の為なら・・・』と歌う。

お部屋にお花を飾りましょう~。
お食事の準備を致しましょう~。

魔女たちは、王の身の回りの世話をする時には、いつも楽しげに歌を口ずさんでいる。その三つの声の絡み合うハーモニーはいつも耳に心地よく、城中の者たちにとっても癒しの歌声のように思われていた。