あの頃のように笑いあえたら

ーー ヨーイ! パンッ!

障害物競走が始まった。

最初の二人三脚は、パートナーの萌と何度か練習した甲斐があって、なんとか1着で終えた。

急いで2人の足を縛っていた紐をほどき、次の障害物網くぐりに向かう。

「愛㮈〜!萌〜!」

B組みんなの声援も届く。

運動が苦手な私は、今までこんなに体育祭を楽しめたことがなかった。

緊張のドキドキも、なぜか心地よい。

萌と2人で協力して網をくぐり抜ける。

私の横で、四つん這いになっている萌が弾けるような笑顔を向ける。私もきっと笑顔だ。

続いて真子と並べた平均台を渡り、後はアメを食べるだけだ。

「萌!ここ、ありそう」

「あ、ほんと!」

萌がフゥッと、アメを見つけようと粉を吹き飛ばすから、2人の顔は粉まみれになる。

「きゃー!」

なんとか口にアメを入れ、2人手をつなぎゴールした。