あの頃のように笑いあえたら

棒引きは、惜しくも2位に終わった。

少し悔しそうにクラス席に戻って来た青いハチマキの男子たち。

女子の暖かい声援に迎えられ、ホッとしたのか、みんな爽やかな表情み見せる。


午前の部が終わり、私は午後の部最初の競技である障害物競走の準備をしていた。

私は係りではなかったけれど、なんかジッとはしていられなかった。

「愛㮈、そっち持って!」

「あ、うん」

体育委員の真子と2人で平均台を並べる。

「愛㮈、障害物出るんだっけ?」

「うん、そうだよ」

運動が苦手な私にはもってこいの競技だ。

「最後にアメ、食べるんでしょ?」

アメの入った箱を指差しながらニヤリと笑う真子。

もう、人ごとだと思って!

「あー、粉のやつ?食べれるかなぁ」

「顔中粉だらけ〜!」

「えー?やだ、やめてよ!」

二人三脚や網くぐりをして、粉の中のアメを手を使わずに食べられたらゴールだ。

何となく息抜きになるような競技だけど、もちろん障害物競走の順位だって、各チームの点数に反映されるから、手を抜くわけにもいかない。

「よし!準備完了! さ、急いでご飯食べよう」

真子と2人、いったん教室へと戻る。